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神社の登記小資料室 熊谷司法書士事務所

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〒995-0112 山形県村山市大字湯野沢2884番地

法人登記先例訓令通達質疑応答 その1

設立
設立当初の代表役員が代表役員代務者で登記することはできない
上記の登記がされた場合職権にて抹消することは出来ない
宗教法人令により成立した宗教法人の設立年月日は昭和21年2月2日
包括団体が宗教団体法の宗教法人から未移行である宗教法人の登記事務取扱
宗教法人令施行当時の宗教法人登記事務取扱
同一場所に同一祭神の神社を両立させることはできない
何らかの事故で未登記の神社について設立登記の嘱託があつた場合受理して差支ない
宗教法人合併による設立の登記をしたときの予備欄の記載
設立登記の規則の中に具体的に代表役員及び責任役員の定があれぱ、その資格を証する書面とする
宗教法人法第52條第3項の登記をした場合、予備欄に宗教法人成立の年月日の記載する
宗教法人法附則第5項による宗教法人設立の登記をした場合予備欄の記載は不要
旧登記簿に登記を移す場合法人成立の年月日は設立認可の年月日
代表役員を定めず責任役員の一人を代務者として設立登記の申請があつた場合受理できない
新宗教法人の設立当初の役員の任期の起算点は設立登記の日
誤って代務者で設立した登記は職権で抹消することはできない
布教所は宗教法人とすることができるか
住所地番まで一致する以外は同一市町村内に同所同名称の設立は可能
既に登記してある神社と同一名称の神社の設立登記は受理してよい
昭和21年宗教法人令の神社の宗教法人設立登記嘱託者は都道府県知事

名称
実態は変わらないまま教会が寺院となつた場合の登記手続は名称変更
宗派を離脱して新たな宗派に属する名称変更登記には新たに所属する宗派の主管者の承認のみ必要

主たる事務所の登記
主たる事務所を他の都道府県内に移転した場合の登記申請書には、新所在地を管轄する都道府県知事の規則変更認証書の謄本を添付する
宗教法人の事務所を仮換地中の土地に移転する場合の事務所の所在地番は、移転先の底地の地番による
旧法当時の神社寺院又は教会は従たる事務所を設けることはできなかった
事務所移転の日は定款変更の認可書到達の日以降
事務所移転の日は業務執行機関の決定に基づいて現実に事務所を移転した日
事務所移転の日は行政庁の認可前に移転したものについては認可書到達の日、実際に移転した日が認可後であれば、実際に移転した日
主たる事務所を他県内に移転した場合において、旧所在地でする移転登記申請書に添付すべきは旧所在地の知事の認証書
住居表示の実施による事務所の変更登記申請書には、住居表示の変更証明書を添付する
新登記簿に移行したときに記載する登記年月日年月日は移記年月日

公告の方法
社務所前又はその隣接の○○殿前に掲示する、は不適切
広告をする新聞は日刊新聞でなくともさしつかえない
宗教法人の広告方法は信者・利害関係人に周知できればどのような方法でも可能

目的
宗教法人の目的の変更登記の添付書面
旧登記簿の宗教団体の「教義ノ大要」は、宗教法人令による宗教法人の「目的」の一部に該当するものと解すべき

基本財産
宗教法人の基本財産の登記について
宗教法人の寳物その他不動産以外の重要な財産の登記は変更登記として申請して登記する
宗教法人登記及神社寺院教會財産登記取扱手続第17條の法量の意味



設立

設立当初の代表役員が代表役員代務者で登記することはできない
774 宗教法人の登記事務取扱について
(昭和29年3月15日付日記総第507号和歌山地方法務局長照会、同年3月19日付民事甲第616号民事局長回答)
 宗教法人法附則第5項により所轄庁の認証をうけた宗教法人の設立登記の申請に際し同法第52條第2項第6号に規定する代表役員を定めないで代表役員の代務者を定め申講があつた場合受理すべぎでないとの左記御回答がありますので受理すべぎでないと考えますが当市所在本願寺別院輸番より別紙写のとおり文部省調査局長より福井総務部長に対する回答を添え受理方申出もあり取扱上聊か疑義がありますので電信をもつて何分の御指示をお願します。

 昭和27年10月17日付大津地方法務局長照会同月20日民事局長電信回答
 昭和28年1月10日付日記登第22号金沢地方法務局長問合せ同月26日民事局長回答
(写)
地調第34号
 昭和27年9月10日
        文部省調査局長久保田藤麿
 福井県総務部長殿
   設立当初の代表役員代務者就任の疑義について
 昭和27年8月14日付学第779号で照会されたことについて次のとおり回答します。
    記
 法則第5項又は第6項の規定により旧宗教法人が新宗教法人となる場含も法第12條及び第13條の規定により新たに宗教法人を設立する場合も規則施行当初に代麦役員の代務者が就任することは差支えない。
    (回答)
 本月15日付日記総第507号をもつて照会のあつた宗教法人の登記については、貴見のとおり

上記の登記がされた場合職権にて抹消することは出来ない
959 宗教法人設立登記の抹消について
(昭和30年4月27日津地方法務局長電報照会、同年6月3日民事甲第1096号民事局長回答)
 昭和27年10月20日大津地方法務局長宛貴官御回答の趣旨に反し代表役員の代務者による設立登記をした宗教法人に対しては、宗教法人法第65條非訟事件手続法第151條ノ2以下の規定により職権にて抹消することが出来るものと解しますが、いささか疑義があり差掛つた事件でありますので電信にて御指示を願います。
(回答)
 客月27日第305号電照の件は、消極に解する。

宗教法人令により成立した宗教法人の設立年月日は昭和21年2月2日
112 宗教法人登記の取扱方について
(昭和23年2月3日附日記第459號福井司法事務局長問合、同年十月4日民事甲第316號民事局長回答)
 昭和21年司法、文部省令第1號附則第5項の登記をしたとき、宗教法人登記及神社、寺院、教曾財産登記取扱手続第6條によつて豫備欄に記載する宗教法人成立の年月日は昭和21年勅令第70號施行の日、即ち昭和21年2月2日であると考えますが左の様な反対意見もありますので御伺い致します。
 なお、取り急ぎ処理せねばならない事件がありますので電報で御指示下さい。
甲説 宗致法人成立の年月日は昭和21年2月2日であるが豫備欄に何縣知事の囑託により昭和21年司法、文部省令第1號附則第5碩の登記を爲した旨記載する限り改めて宗教法人成立の年月日は書かなくともよい。
乙説 宗教法人登記及神社、寺院、教會財産登記取扱手続第6條の宗教法人成立の年月日は神社なる公法人が成立した年月日と解し、神社明細帳に登録された年月日を記載すべきである。
(回答)
 昭和23年2月3日附日記第459號で問合のあつた標記の件については、甲説の通り取扱うべきである。右回答する。

包括団体が宗教団体法の宗教法人から未移行である宗教法人の登記事務取扱
273 宗教法人登記事務取扱方について
(昭和24年10月28日日記第7233號京都地方法務局長問合、昭和25年3月30日民事甲第864號民事局長回答)
 標記の件について左記事項につき疑義がありますので、至急何分の御指示をお願い致します。
    記
一、宗教團体法当時に設立の登記をなしたる寺院に、未だ宗教法人令に基く登記を経てない宗派を、所属宗派として登記がされてある場合には、宗教法人令施行規則附則第2項による移記に際し所属宗派の名称は移記すべきでしようか。
二、右寺院の規則の変更を件う変更登記の申請書には、所属宗派の主管者の承認書の添附は要しないものと思考しますが如何でせうか。
(回答)
 昭和24年10月28日附日記第7、233號をもつて問合せのあつた標記の件については、次により取り扱うべきものと考える。右回答する。
    記
一、問合せの場合における登記の申請書には、当該宗派が、宗教團体法(昭和14年法律第77號)第2條第1項、第3条第1項、宗教法人令(昭和20年勅令第719號)附則第2項の規定により宗教法人とみなされる宗派であるか否かを記載した當該宗派の主管者又はこれに相當すべき者の証明書を添附する。
 宗教法人令施行規則(昭和20年司法、文部省令第1號)附則第2項の規定により当該寺院の登記を移す場合においては、當該宗派が法人であるときは、その宗派の名称の登記事項を移記し、そうでないときは、これを移記しない。
二、当該宗派が法人たる宗派であるときは、その主管者の承認書の添附を要するが、そうでないときはこれを要しない。

宗教法人令施行当時の宗教法人登記事務取扱
 宗教法人令・同施行規則等と登記取扱方
昭和20・12・27、民事特甲714号民事局長通牒
 昭和20年緊急勅令第542号ニ基ク宗教団体法及同法関係勅令ノ廃止ニ関スル勅令並ニ宗教法人令、同令施行規則(司法文部共同省令)、宗教法人登記及寺院教会財産登記取扱手続(司法省令)一両日中ニ公布即日施行セラルルコトニ決定相成候処、右宗教法人令及同関係省令ノ施行ニ伴ヒ、登記事務取扱上左記ノ点留意相成候様致度
     記
一 宗教法人令第1條ニ「修道会等ヲ含ム」トアル「等」ニハ、日本天主公教等ノ教区ヲ含ム趣旨ナルヲ以テ、右教区ニ付教会登記トシテ申講アリタルトキハ、之ヲ受理スベキモノナルコト
二 従前宗教団体登記令ノ規定ニ依リ登記セラレタル教義ノ大要及管長、教団統理者、住職又ハ教会主管者ノ氏名及住所ハ、之ヲ宗教法人令施行規則ノ規定ニ依ル目的及主管者ノ氏名及住所ノ登記ニ該当スルモノトシテ取扱フコト

 宗教法人登記-宗教法人令2條・3條、規則12條・20條等
昭和21・3・22、民事甲170号民事局長通牒
 宗教法人令及同関係省令ノ施行ニ伴フ登記事務取扱方ノ件ニ関シテハ、嚢ニ昭和20年12月27日民事特甲第714号ヲ以テ及通牒候処、尚左記諸点ニ関シ之ガ取扱ノ一定ヲ期シ度
     記
一 宗教法人令(以下令ト称ス)第2條第2項第7号ハ、当該宗教法人ガ学校又ハ病院ノ経営等公益事業ヲ営ム場合ニ於テハ、之ヲ規則ニ記載スルコトヲ要スルモ、斯ル事業ヲ経営シ居ラザル場合ハ、其ノ要ナキ趣旨ノ規定ト解シ取扱フべキモノナルコト
二 令第3條第2項第3号、同條第3項及同令施行規則(以下規則ト称ス)第12條第1項第4号ノ教派、宗派又ハ教団トハ、執レモ令ニ基ク登記ヲ経テ宗教法人タルニ至リタル教派、宗派又ハ教団ヲ指称スルモノト解スベキトコロ、神社、寺院又ハ教会ニ於テ登記ノ申請ヲ為スニ当リ、之ガ添付ニ係ル規則ノ中ニ未ダ令ニ基ク登記ヲ為ササル宗派、教派又ハ教団ヲ所属教派、宗派又ハ教団トシテ記載シアル場合ニ於テモ、其ノ記載ハ之ヲ当該規則ニ於ケル任意的記載事項、従ツテ規則第12條第1項第4号ニ掲グル登記事項ニハ該当セサルモノト解シ、斯ル登記ノ申請モ之ヲ受理スベキモノナルコト、尤モ此ノ場合ニ於ケル登記ノ申請書ニハ、当該教派、宗派又ハ教団ガ末ダ令ニ依ル宗教法人タラザル旨ヲ記載セル当該教派、宗派又ハ教団ノ主管者又ハ之ニ相当スベキ者ノ証明書ヲ添附セシムルコトトシ、令第3條第3項、規則第20條ニ基ク承認書ノ添附ノ要ナキモノナルコト
尚前項ニ依リ神社、寺院又ハ教会ガ登記ヲ為シタル後、其ノ所属教派、宗派又ハ教団ガ令ニ依ル宗教法人タルニ至リタル場合ニ於テハ、其ノ旨ヲ証スル登記薄抄本等ヲ添附シテ、規則第12條第1項第4号ノ事項ノ追加変更ノ登記ノ申請ヲ為シ得ルモノナルコト
三 宗教法人タル教派、宗派又ハ教団ニ属スル神社、寺院又ハ教会ノ設立登記及規則ノ変更ヲ伴フ変更登記ノ申請書ニハ、所属教派、宗派又ハ教団ノ主管者ノ承認書ノ添附ヲ要スルモノナルトコロ(令第3條第3項、第6條、規則第20條参照)右主管者ノ資格ヲ証スル書面ハ、之ガ添附ヲ要セザルモノナルコト

 宗教法人令17條但書の趣旨-特別代理人の選任
昭和21・7・2、民事甲394号民事局長回答並ニ通牒
 別紙甲号の通り釧路地方裁判所長から問合せがありましたので、別紙乙号の通り回答致しましたから、この旨貴管下関係宮吏に然るべく御通達煩し度
(別紙甲号)
 宗教法人令第17條但書の趣旨は宗教法人の「規則」の中に特別代理入の選任に関する別段の定がない場合には民法の規定に従つて裁判所に選任を求めるのか、それとも「規則」に此の点を補充させ、その新規定に依つて選任させるのかどちらでせうか。
(別紙乙号)
後段貴見の通りと思考致します。
〔解説〕 宗教法人令第17條但書は、宗教法人と主管者又は代務者との利益相反する場合における特別代理人の選任は、必ず、当該宗教法人の規則の定めるところによらなければならないといふ趣旨である。したがつて、規則に特別代理人選任に関する別段の定めがない宗教法人において、特別代理入を選任する必要が生じた場合には、先づ、規則にその選任方法を定めた上で、その定めるところにより、特別代理人を選任しなければならないのであつて、この場合、裁判所に特別代理人の選任を求めるのではない。

 宗教法人登記の変更欄記入事項
昭和21・7・5、民事甲398号民事局長回答並に通牒
 別紙甲号の通り新潟区裁判所監督判事から問合せがありましたので、別紙乙号の通り回答致しましたから、この旨貴管下登記官更に然るべく御通達煩し度。
(別紙甲号)
 左記登記は変更欄に記入するものと考えられますが、なお疑ひがありますのて、その取扱方に付いて御回示を煩はし度(参照-宗教法人及神杜寺院教会財産登記取扱手続第5條)
     記
一、代務者の住所移転、改名等による変更登記
二、代務者の退任又は死亡の登記
三、代務者更迭による変更登記
四、最初就任した代務者退任し、其の後更に宗教法人令第8條第3項の原因の生じた場合の就任登記
(別紙乙号)
貴見の通りと思考致します。
〔解説〕宗教法人及神社寺院教会財産登記取扱手続第5條に、「代務者ノ登記ハ登記用紙中予備欄ニ之ニ為スベシ」とあるのは、初めて代務者の登記をする場合の規定であつて、この場合には、登記用紙中に相当欄が設けられてゐないから、これを予備欄に記載せしめるといふ趣旨である。しかるに、問合せの場合は、総て代務者の変更の登記であるから、この場合の相当欄、即ち変更欄にこれを記載すべきである。

 宗教法人令14條・17條-残余財産の帰属等
昭和21・9・5、民事甲562号民事局長回答並に通牒
 別紙甲号の通り新潟区裁判所監督判事から問合せがありましたので、別紙乙号の通り回答致しましたから、この義貴庁管下登記官吏に然るべく御通達方御取計ひ相煩し度、この段通牒致します。
(別紙甲号)
   宗教法人の解釈について稟伺
 左記の点に疑ひがあり、不動産登記上差し懸つた事件もありますから、至急何分の御回示を煩はし度
     記
一、宗教法人令第14條に基いて、宗教法人の規則に「解散した場合の残余財産は何某又は其の正統相統人に帰属する」と定めてある場合に於て、清算人から残余財産を引渡すことによつて、其の所有権は規則所定の権利帰属者に移転するものと解して差支ないと思ひますが如何でせうか(参照-民法第72条)
二、前項差支ないとすれぱ、残余財産が不動産の場合、帰属権利者の為めにする所有権移転登記原因は「帰属」とし、其の日付は財産引渡の日で良いと考へますが如阿でせうか。
三、宗教法人令第17条によつて、宗教法人に準用される民法第73條乃至第83條の規定は、其の性質に反しない限り、昭和22年勅令第70号附則第4項に依つて解散した神社にも準用され、右勅令附則第6項に於て代務者と看做される者が、法定満算人となるものと考へますが如以ですか。
(別紙乙号)
   宗教法人に関する件
 いづれも貴見の通りと思考致します。

10 数会がその儘寺院となつた場合の登記取扱
昭和21・10・26、高松区問合、同年21・11民事甲762号民事局長回答
 宗教法人令に基いて登記して居る教会が、従来の内容は其儘に寺院となつた場合、之が登記取扱に就き左記孰れによるべきや。
    記
(イ) 寺院として単に名称変更の登記
(ロ) 教会は一旦解散し新に寺院設立の登記
   回 答
 宗教法人の登記事務取扱方の件は、変更登記として取扱ふべきものと思考す。
〔解説〕
一、本件問合せ事項に、「教会が従来の内容を其儘に寺院となつた揚合」とあるのは、教義及儀式の執行方法等を従来の教会の儘で、単に名称のみを「何々寺」とするため規則の変更をした場合と解する。
二、宗教法人令には、「寺院でなければ寺院たる名称を使用することができない」旨の規定がない。又、同令は、「神社、寺院及び教会」と一応の区別はしてゐるが、この区別は、商法の会杜において、合名会杜、合資会社、株式会社等に区別せられてゐる場合とはことなり、法人たる組織においては何ら異るところはない。
三、登記の技術上からみても、従前の宗教団体法の登記の場合と異なり、現在の宗教法人令に基く神社、寺院及び教会は、いづれも「神社寺院教会登記簿」に一括登記せられてゐるのであるから、変更登記として処理することに何らの支障がない。
四、したがつて、このことは教会が従来の規則に定める内容を全部変更して寺院となつた場合でも変りない。
以上の理由より、本件問合せの件は、問合面(イ)の如く取扱ふべきものとする。

11 宗教法人令6条の規定による主管者の承認-所属しようとする宗派の主管者
昭和21・6・21、大阪区問合、昭和22・1・6民事甲920号回答並に通牒
 別紙甲号の通り大阪区裁判所監督判事から問合せがあつたので、今般別紙乙号の通り回答したから、この旨、貴管下登記官吏に対し然るべく御通達方煩したい。
(別紙甲号)
一、宗教法人令ニ基キ既ニ登記シアル寺院ガ、既存ノ宗派ヲ離脱シ新ナル宗派ニ所属ヲ転ズル為其ノ名称ヲ変更スル場合ハ、寺院規則ノ変更ナルヲ以テ、宗教法人令第6條後段ニ依リ主管者ノ承認ヲ要スルモノナルモ、同條ノ主管者トハ新ニ所属スベキ宗派ノ主管者ヲ指スモノナリヤ、又離脱前ノ宗派ノ主管者ヲ指スモノナリヤ、或ハ右両者ヲ指スモノナリヤ聊疑義有之候何分ノ御回示相煩度
(別紙乙号)
 従来所属していた宗派の主管者の承認はこれを受ける必要がなく、あらたに所属しようとする宗派の主管者の承認を受けるを相当と思考する。
〔解説〕寺院が、従来所属していた宗派を離脱して、新たな宗派に所属しようとする場合には、その寺院規則における「所属宗派ノ名称」の記載の変更を要するのてあるが、この場合における宗教法人令第6條の解釈に関する問題である。
 宗教法人令第6條は、その前段において、「神社、寺院又ハ教会ノ規則ヲ変更セントスルトキハ氏子、崇敬者、檀徒、教徒及信徒ノ総代ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス」と規定し、その後段において「当該神社、寺院又は教会が教派、宗派又は教団ニ属スルモノナルトキハ尚所属教派、宗派又ハ教団ノ主管者ノ承認ヲ受クルコトヲ要ス」と規定しているのであるが、右の規則変更の場合においても、この規定の前段の適用があることはいうまでもない。しかし、後段を適用するについては、これを、宗教の自由肉という立場から考え(昭和22年10月4日聯合国最高司令部発日本帝国政附ニ対スル覚書参照)且つ、宗教法人令制定の趣旨に鑑みるとぎは、問含せにあるような疑問が生じてくるのである。
 回答の趣旨とするところは、宗教法人令第6條後段は、当該寺院が当該宗派に所属している限りにおいては適用されるのであるが、当該宗派から離脱する場合には、前に述べた立場からみて、これを適用すべきものではない。但し、新たに所属しようとする宗派の主菅者の承認については、宗教法人令3条3項(寺院を設立するため規則を作成するにあたつて、当該寺院が宗派に所属するものてあるときは、その規則について、所属宗派の主管者の承認を受けることを要する)の規定の趣旨からしても、これを必要とするといふのである。
 なお、以上のことについては、その宗派が、法人である宗派でない場含には、もとより問題とするに足りない。

同一場所に同一祭神の神社を両立させることはできない
272 神社設立登記申請受否につ`いて
(昭和24年9月28日登2の1日記第132〇號秋田地方法務局長問合、昭和25年3月28日民事甲第839号民事局長回答)
 先に、○○○○なる者、所在の場所秋田縣○○村○○字○○番地○○神社、同字同番地○○神社の主管者なりとして、秋田縣知事に対して両神社規則の届出をなし、同知事が登記の囑託を當局管内○○出張所えなされてこれが登記完了したる処、更らに○○○○なる者より、右両神社の主管者なりとして敍上両神社と同一所在の場所に、同一祭神で、名称を宗教法人○○神社、宗教法人○○神社と称し、両神社規則を添付して両紳社設立登記の申請(神社規則及び申請書には、「所属教派、宗派又は数團の名称なし」と書いている。)があるので、これが受否に関し同出張所長より問合せがあつたが法的却下の事由も見當らず、然りとて、同一場所に同一祭神の神社を両立させることは、假に目的を異にするとしても社曾通念に惇る嬢あるので、受否決し兼ねますので稟伺致します。
註(1)本神社は、昭和23、○○、○○日総日記第○○○○號を以て神社設立登記無効取消請求の行政訴訟事件として報告(登記研究第17號第13頁参照)に關連するものである。
(2)今回申請に係る両神社設立総曾議事録によれば、前記註(1)の報告事件と同時に提出の○○神社並びに○○神社規則届出受理及び登記囑託無効等請求事件として、○○○○より秋田縣知事を相手取り提訴Lた事件が未解決繋届中であると説明されている。
(3)新設宗教法人○○神社の目的は、「當神社の祭神は○○命、○○命で其の祭礼を厚くし世相人心の善導文化昂揚の帰一的理想たらしむることを目的とする」とあり、既存の○○神社の目的は、「本神社は惟紳の大道に遵い、普く同胞をして神恩を奉謝し神徳を奉體せしめ淳厚なる民風を作興し以て世界人類の福祉に寄與するを目的とす」とある。又、新設宗教法人○○神社の目的は、「営神社の祭神は○○命、○○神、○○命で其の祭礼を厚くし昏迷した世相人心に黎明を與えて安心した世界建設に貢献するを目的とする」とあり、既存の○○神杜の目的は、既存の○○神社の目的と同一である。
(4)新設の両神社の基本財産は、各千圓であるが、既存の○○神社は8万4百11圓78銭、○○紳社は1万3千7百3圓50銭である。
(5)新設の神社の主管者は○○○○、氏子総代は○○○○・○○○○・○○○○・○○○○で、既存の神社の主管者及び氏子総代とは全然別人である。
(回答)
 昭和24年9月28日登2の1日記第132〇號で問合せのあつた標記の件については次により処理すべきものと考える。右回答する。
    記
 宗教法人令及び同令施行規則の規定により宗致法人の登記をする趣旨は、一般の法人に關する登記の場合と同様に、個々の宗教法人につき一定の事項を公示してこれを持定し、社會生活におげる秩序の維持を図ることにある。問合せの○○○○の申講にかかる秋田縣○○村○○字○○番地所在の○○神社及び○○神社の設立の登記の場合においては、すでに同所同番地に同一名称の各神社の登記がなされているので、右の申請に基き當該神社の登記をするときは、既存の神社の登記と混こうを生じ、右の法令の趣旨にも反することとなる。したがつて、當該設立登記の申請は、宗教法人令施行規則第21条で準用する非訟事件手続法第百51条の規定により、これを却下すべきである。

何らかの事故で未登記の神社について設立登記の嘱託があつた場合受理して差支ない
1422 宗教団体法により設立する宗教法人の登記の囑託について 
問 宗教団体法当時地方長官の保管する神社明細帳に記載せられた神社が宗教法人令の施行に伴い同令附則に定める登記をなしたが、登記簿には何等かの事故で登記されていない神社につき、現在地方長官が同令附則の規定に基き登記の嘱託があつた場合受理して差支ないでしようか。(東京 SH生)
〔参照〕宗教法人令附則第2項第3項第5項
宗教法人法附則第3項第4項
答 受理して差支えない。

宗教法人合併による設立の登記をしたときの予備欄の記載
1199 宗教法人の登記について 
問 宗教法人は合併による設立の登記をしたときは、宗教法人登記規則第7条第2項の規定により登記用紙中予備欄にその事由を記載しなければならないが、附則第6項の規定により設立登記をしたときは、右の規定に準じて予備欄にその事由を記載することを要しないか。
答 この場合は予備欄に記載する必要はないと考えます。但し、新法人の設立立登記があったら旧法人の登記用紙を閉鎖すべきこととなつているから(法附則第19項)その閉鎖事由(登記規則第6項)として旧宗教法人の登記用紙予備欄に次のように記載すればよいと考えます。
 昭和 年 月 日(新宗教法人設立の年月日)何市何町何番地に何々法人を設立したので、宗教法人附則第19項により閉鎖する。

設立登記の規則の中に具体的に代表役員及び責任役員の定があれぱ、その資格を証する書面とする
1355 宗教法人設立登記申請書の添附書類について
問 宗教法人の設立登記の申請書には、認証ある規則の謄本と、代表役員及び責任役員の資格を証する書類を添附すべきこととなつていますが、その規則の中に具体的に代表役員及び責任役員の定があれぱ、その資格を証する書面としては、規則の定を引用すれば足ると考えるがどうか。(熊本 会員生)
答 貴見のとおりと考えます。

宗教法人法第52條第3項の登記をした場合、予備欄に宗教法人成立の年月日の記載する
1240 宗教法人法第52條第3項の登記について
問 宗教法人法第52條第3項の登記をした場合、予備欄に宗教法人成立の年月日の記載の要ないか。(奈良 N生)
答 記載(宗教法人成立年月日)するのが妥当であると考えます。

宗教法人法附則第5項による宗教法人設立の登記をした場合予備欄の記載は不要
1866 宗教法人法附則第5項による宗教法人設立の登記と予備欄の記載について
問 宗教法人法附則第5項の手続を経た新宗教法人の設立登記をする場合は、法人登記規則第7条(予備欄の記載)の適用あるか。
(東北登研生)
答 適用がない。

旧登記簿に登記を移す場合法人成立の年月日は設立認可の年月日
37 宗教法人令施行規則附則第2項の規定により、寺院登記簿より、神社寺院教曾登記簿に登記を移す場合において、「設立認可の年月日」は「成立の年月日」として、設立認可の年月日を記載するのか(細田生)
答 見解の通り
(理由)寺院登記簿に記載されている設立認可の年月日は、宗教法人登記及神杜寺院教會財産登記取扱手続6條の宗教法人の成立の年月日に富るものであつて、同令附則七項但書の登記を必要とせざるに至りたる事項ではないと解する。 從つて、同令附則7項の規定と同令6条の規定の趣旨により、移記の際は、これを同令六条の成立の年月日を、設立認可の年月日と読み換え、予備欄に 「設立認可の年月日 何年月日」と記載すべきである。

代表役員を定めず責任役員の一人を代務者として設立登記の申請があつた場合受理できない
問題 宗教法人設立の際代表役員を定めず、責任役員の一人を代務者として設立登記の申請があつた場合、受理してもよいか。 
決議 受理できない。

新宗教法人の設立当初の役員の任期の起算点は設立登記の日
1725 新宗教法人の設立当初の役員の任期の起算点について 
問 新宗教法人の設立当初の役員の任期の起算点について、左のいづれの説によるべきでしようか。
一、設立登記の日
二、規則の認証のあつた日
三、各宗教法人の作成した規則の附則で定める規則の施行の日
四、役員に任命又は委嘱された日
(岐阜 美濃生)
答 設立登記の日から起算するのが相当です。

誤って代務者で設立した登記は職権で抹消することはできない
1724 設立当初の代務者の登記について
問 宗教法人の設立に際し、代表社員を定めず代務者を置いて設立登記をすることはできない(昭和27年10月2日民事局長回答)ことになつておりますが、これを誤つて受理登記した上は、当該宗教法人は成立することになるので、右の瑕疵を理由として、その登記を宗教法人法第65条において準用する非訟事件手続法第151条ノ2以下の規定によりまつ消することはできないものと考えますがいかがでしようか。(
小田原 S・H)
答 貴見のとおり(本年6月3日津地方法務局長あて民事局長回答)。
 なお、本回答により第1436問(第76号第39頁)の回答は、一部変更します。

布教所は宗教法人とすることができるか
585 布教所は宗教法人とすることができるか 
問 布教所は宗教法人令第1條の法人とすることが出来るでしようか。(中村登記研究生)
答 宗教法人令(昭和20年勅令第719號)によれぱ、宗教法人を設立するには同令第2條又は第3条の規定により規則を作り第4條の登記をすることを要するのであるが、右の手続を踏んだ場合には、布教所でも、法人格を持つ神社、寺院又は教會とすることができる。

住所地番まで一致する以外は同一市町村内に同所同名称の設立は可能
1277 宗教法人の同一(類似)名称の使用について 
問 同一市区町村内に同一又は類似の名称の宗教法人の設立は許すべきか。
(東京 煙突)
答 積極に解します。但し、地番等が同一のため客観的に両者を区別特定出来ない様な場合は設立出来ないと考えます。

既に登記してある神社と同一名称の神社の設立登記は受理してよい
48 同一町村内において、既に登記してある神社と同一名称の神社の設立登記の囑託があつた場合には、これを受理してよろしいでしようか。(登記生) 
答 受理してさしつかえない。
(理由) 宗教法人令に商法第19条及び非訟事件手続法第158條の如き規定を設けてないのも、立法當時の考え方も、本問の如ま場合受理してよいという思想であつたものと考える。


昭和21年宗教法人令の神社の宗教法人設立登記嘱託者は都道府県知事
395宗教法人の登記について
昭和26年3月3日福井地方法務局長電報問合同年3月5日附民事甲第470号民事局長回答
 宗教法人令中改正の件(昭和21年勅令第70号)附則第5項の登記嘱託は、教育委員会がなすものと考えるが、如何でしようか。差支の事件があるので、電信にて御指示願います。
(回答電文)
 3月3日付電報でお問合せの宗教法人令中改正の件(昭和21年勅令第70号)附則第5項の登記の嘱託は、都道府県節事がするものと考える。
〔解説〕
 宗教法人令中改正の件(昭和21年勅令第70号)附則第5項の登記嘱託者は地方長官(都道府県知事と読み替えて適用される。)となつており、宗教に関する事務は教育委員会の所掌するところではないから、都道府県知事が登記嘱託者となるのである。

名称

実態は変わらないまま教会が寺院となつた場合の登記手続は名称変更(宗教法人令施行当時の宗教法人登記事務取扱と同じ)
10 数会がその儘寺院となつた場合の登記取扱
昭和21・10・26、高松区問合、同年21・11民事甲762号民事局長回答
 宗教法人令に基いて登記して居る教会が、従来の内容は其儘に寺院となつた場合、之が登記取扱に就き左記孰れによるべきや。
    記
(イ) 寺院として単に名称変更の登記
(ロ) 教会は一旦解散し新に寺院設立の登記
   回 答
 宗教法人の登記事務取扱方の件は、変更登記として取扱ふべきものと思考す。
〔解説〕
一、本件問合せ事項に、「教会が従来の内容を其儘に寺院となつた揚合」とあるのは、教義及儀式の執行方法等を従来の教会の儘で、単に名称のみを「何々寺」とするため規則の変更をした場合と解する。
二、宗教法人令には、「寺院でなければ寺院たる名称を使用することができない」旨の規定がない。又、同令は、「神社、寺院及び教会」と一応の区別はしてゐるが、この区別は、商法の会杜において、合名会杜、合資会社、株式会社等に区別せられてゐる場合とはことなり、法人たる組織においては何ら異るところはない。
三、登記の技術上からみても、従前の宗教団体法の登記の場合と異なり、現在の宗教法人令に基く神社、寺院及び教会は、いづれも「神社寺院教会登記簿」に一括登記せられてゐるのであるから、変更登記として処理することに何らの支障がない。
四、したがつて、このことは教会が従来の規則に定める内容を全部変更して寺院となつた場合でも変りない。
以上の理由より、本件問合せの件は、問合面(イ)の如く取扱ふべきものとする。

宗派を離脱して新たな宗派に属する名称変更登記には新たに所属する宗派の主管者の承認のみ必要(宗教法人令施行当時の宗教法人登記事務取扱と同じ)
11 宗教法人令6条の規定による主管者の承認-所属しようとする宗派の主管者
昭和21・6・21、大阪区問合、昭和22・1・6民事甲920号回答並に通牒
 別紙甲号の通り大阪区裁判所監督判事から問合せがあつたので、今般別紙乙号の通り回答したから、この旨、貴管下登記官吏に対し然るべく御通達方煩したい。
(別紙甲号)
一、宗教法人令ニ基キ既ニ登記シアル寺院ガ、既存ノ宗派ヲ離脱シ新ナル宗派ニ所属ヲ転ズル為其ノ名称ヲ変更スル場合ハ、寺院規則ノ変更ナルヲ以テ、宗教法人令第6條後段ニ依リ主管者ノ承認ヲ要スルモノナルモ、同條ノ主管者トハ新ニ所属スベキ宗派ノ主管者ヲ指スモノナリヤ、又離脱前ノ宗派ノ主管者ヲ指スモノナリヤ、或ハ右両者ヲ指スモノナリヤ聊疑義有之候何分ノ御回示相煩度
(別紙乙号)
 従来所属していた宗派の主管者の承認はこれを受ける必要がなく、あらたに所属しようとする宗派の主管者の承認を受けるを相当と思考する。
〔解説〕寺院が、従来所属していた宗派を離脱して、新たな宗派に所属しようとする場合には、その寺院規則における「所属宗派ノ名称」の記載の変更を要するのてあるが、この場合における宗教法人令第6條の解釈に関する問題である。
 宗教法人令第6條は、その前段において、「神社、寺院又ハ教会ノ規則ヲ変更セントスルトキハ氏子、崇敬者、檀徒、教徒及信徒ノ総代ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス」と規定し、その後段において「当該神社、寺院又は教会が教派、宗派又は教団ニ属スルモノナルトキハ尚所属教派、宗派又ハ教団ノ主管者ノ承認ヲ受クルコトヲ要ス」と規定しているのであるが、右の規則変更の場合においても、この規定の前段の適用があることはいうまでもない。しかし、後段を適用するについては、これを、宗教の自由肉という立場から考え(昭和22年10月4日聯合国最高司令部発日本帝国政附ニ対スル覚書参照)且つ、宗教法人令制定の趣旨に鑑みるとぎは、問含せにあるような疑問が生じてくるのである。
 回答の趣旨とするところは、宗教法人令第6條後段は、当該寺院が当該宗派に所属している限りにおいては適用されるのであるが、当該宗派から離脱する場合には、前に述べた立場からみて、これを適用すべきものではない。但し、新たに所属しようとする宗派の主菅者の承認については、宗教法人令3条3項(寺院を設立するため規則を作成するにあたつて、当該寺院が宗派に所属するものてあるときは、その規則について、所属宗派の主管者の承認を受けることを要する)の規定の趣旨からしても、これを必要とするといふのである。
 なお、以上のことについては、その宗派が、法人である宗派でない場含には、もとより問題とするに足りない。

主たる事務所の登記

主たる事務所を他の都道府県内に移転した場合の登記申請書には、新所在地を管轄する都道府県知事の規則変更認証書の謄本を添付する
3625 宗教法人の規則の変更を伴う事務所移転登記申請書に添付する認証書謄本について
(昭和42年8月30日付民事甲第2468号法務局、地方法務局長あて、民事局長通達(昭和42年8月4日付総第6107号大阪法務局長照会、民事局長回答))
【要旨】 宗教法人が主たる事務所を他の都道府県内に移転した場合の登記申請書には、新所在地を管轄する都道府県知事の規則変更認証書の謄本を添付す。
(通達)標記の件について、別紙甲号のとおり大阪法務局長から照会があつたので、別紙乙号のとおり回答したから、この旨貴管下登記官に周知方取り計らわれたい。
(照会)
 宗教法人が、その主たる事務所を他の都道府県内に移転した場合、旧所在地でする移転登記申請書に添付すべき規則変更の認証書の謄本は、旧所在地の知事の発行したものを添付させるべきものと考えますが、昭和28年8月4日文調宗第202号、都道府県知事あて文部省調査局長通達によると、右の場合における規則の変更の認証は、移転先地を管轄する都道府県知事が行なうこととなつており、その取扱いに疑義を生じましたので、ご指示をお願いします。
 おつて、右は○○教教会本部から全国的な統一を図りたい旨の申出によるものでありますから申し添えます。
(回答)
 8月4日付総第6107号をもつて照会のあつた標記の件については、新所在地の知事の認証書の謄本を添付させる取扱いでさしつかえない。

宗教法人の事務所を仮換地中の土地に移転する場合の事務所の所在地番は、移転先の底地の地番による
4762 宗教法人の事務所移転登記について
(昭和58年9月30日付け庶発第783号神社本庁庶務部長照会、昭和58年11月1日付け法務省民四第6214号民事局第四課長回答)
【要旨〕 宗教法人の事務所を仮換地中の土地に移転する場合の事務所の所在地番は、移転先の底地の地番による。
(照会) 宗教法人の事務所移転登記に関して、次の疑義を生じましたので、至急何分の御教示下さいますようお願いします。
     記
 土地区画整理事業が施工され、神杜が仮換地の指定を受けて移転せざるを得なくなつた。仮換地中の宗教法人の事務所移転登記について、
(イ)移転先の地番が決定せず仮符号であるが、仮符号をもつて事務所移転のための変更登記が可能であるか。
(ロ)仮換地中は、移転先の地番が仮符号であるため変更登記ができないので、換地処分により地番が確定した後に変更登記を行わねばならないか。
(ハ)仮符号では変更登記はできないが、仮換地中でも移転先の底地番(移転先従前の地番。数筆に分かれる場合は、その中のいづれか一筆)を以て変更登記ができるか。
(回答) 9月30日付け庶発第783号で照会のあった標記の件については、左記のとおり考えます。
     記
 宗教法人の事務所を仮換地中の土地に移転する場合の事務所の所在番は、移転先の底地の地番による。

旧法当時の神社寺院又は教会は従たる事務所を設けることはできなかった
40 神社寺院又は教会は、従たる事務所を設けることはできない
昭和22年6月24日登記第四号函館司法事務局長問合、7月24日氏事甲第614号民事局長回答
 教派宗派又は教団が新たに従たる事務所を設けたるときの登記手続については宗教法人令施行規則第八條に規定されてあるが、神社、寺院又は教会には新たに従たる事務所を設けることができるかどうか、同法第12條第2項では同法第8條の準用を除外しているから神社、寺院又は教会は新たに従たる事務所を設けることができない様に思料致しますが反対説もありますから如何でしようか、目下差し懸りたる事件がありますから特急何分の御指示方お伺い致します。
(回答)
神社、寺院又は教会は、従たる事務所を設けることはできないものと考える。

事務所移転の日は定款変更の認可書到達の日以降
5456 各種法人の事務所移転の日について
〔要旨〕定款変更につき行政庁の認可を効力要件とする各種法人が、定款を変更して事務所を移転する場合において、現実に事務所を移転した日が定款変更の認可前であるときは、事務所移転の日は定款変更の認可書到達の日である。
問 定款変更につき行政庁の認可を効力要件とする各種法人が、定款を変更して事務所を移転する場合において、現実に事務所を移転した日が定款変更の認可前であるときの登記すべき事務所移転の日については、次の二説があります。イ説は認可後に事務所を移転した場合を前提として解答されたものと思われますので、ロ説が相当であると考えますが、いかがでしょうか。
イ説 定款変更の効力発生は認可書到達の日であるが、登記すべき事務所移転の日は業務執行機関の決定に基づいて現実に事務所を移転した日である(質疑応答4742問・本誌260号69頁)。
ロ説 定款変更の認可前に事務所を移転した場合は認可書到達の日、認可後に事務所を移転した場合は現実に移転した日である(質疑応答2569問・本誌125号46頁、質疑応答2691問・本誌130号47頁)。(結城 野原)
答 御意見のとおりと考えます。

事務所移転の日は業務執行機関の決定に基づいて現実に事務所を移転した日
4742 各種法人の事務所移転の日について 
【要旨】各種法人について事務所移転に伴う変更登記をする場合の「事務所移転の日」は業務執行機関の決定に基づいて現実に事務所を移転した日である。
問 各種法人の事務所移転に伴う変更登記で、定款変更につき行政庁の認可を要する場合の「事務所移転の日」は認可書到達の日でしようか、それとも認可の日でしようか。
(福島A・M生)
答 定款変更の効力の発生は認可書到達の日ですが、登記すべき「事務所移転の日」は、業務執行機関の決定に基づいて現実に事務所を移転した日です。

事務所移転の日は行政庁の認可前に移転したものについては認可書到達の日、実際に移転した日が認可後であれば、実際に移転した日
2691 各種法人等の事務所移転の日について 
問 認可を要する各種法人等の事務所移転の日は、行政庁の認可前に移転したものについては移転の日は、その認可のあつた日に(認可書到達の日)、実際に移転した日が認可後であれば、実際に移転した日が、それそれ登記上の事務所移転の日と解してよろしいか。(郷幸雄)
答 御意見のとおりと解します。

主たる事務所を他県内に移転した場合において、旧所在地でする移転登記申請書に添付すべきは旧所在地の知事の認証書
3962 宗教法人の事務所の移転登記について 
問 宗教法人がその主たる事務所を他県内に移転した場合において、旧所在地でする移転登記申請書に、添付すべき事満所移転の決議についての知事の認証書は、新所在地の知事の認証書でさしつかえないか。(山門の守)
答 旧所在地の知事の認証書を添付させるのが相当と考えます。

住居表示の実施による事務所の変更登記申請書には、住居表示の変更証明書を添付する
6179 住居表示の実施による変更登記の添付書類について 
〔要旨〕住居表示の実施による宗教法人の事務所の変更登記の申請書には、住居表示の実施による事務所の変更を証する書面を添付すれば足りる。
問 宗教法人の事務所が住居表示の実施により変更になった場合、登記申請書には事務所表示の変更を証する書面のみを添付すればよいと思いますが、宗教法人の規則の変更を証する書面の添付も要するとの意見もあります。いずれによるべきでしようか。(研究生)
答 住居表示による事務所の変更を証する書面を添付すれば足りると考えます。

新登記簿に移行したときに記載する登記年月日年月日は移記年月日
121 宗教法人登記及び神社寺院教会財産登記取扱手続附則第七項の規定により神社寺院教会登記簿に登記を移した場合に於ける右登記簿の「登記の年月日及登記官印」の年月日の記載方について
問 宗教法人登記及び神社寺院教会財産登記取扱手続附則第7項の規定により從來の登記簿より神社寺院教曾登記簿(以下新登記簿という)に登記を移した場合における新登記簿の「登記の年月日及登記官印」欄に記載すべき年月日は、從來の登記簿の同欄に記載してある年月日なりや又は従來の登記簿より新登記簿に登記を移した時の年月日何れであるか。(静岡 研究生)
答 移記したときの年月日を記載すべきである。

公告の方法

社務所前又はその隣接の○○殿前に掲示する、は不適切
1274 宗教法人の公告方法について 
問 宗教法人の公告方法として「社務所前又はその隣接の○○殿前に掲示する。」と定めてよいでしようか
。(山形 吉野)
答 公告方法は特定すべきものであると考えますから、此の様な定め方では特定出来ないと思われますので、消極に解します。

広告をする新聞は日刊新聞でなくともさしつかえない
2095 宗教法人の公告方法について 
問 宗教法人の規則記載事項である公告の方法として「宗教新聞に掲載する」と定めてありますが、この新聞は日刊新聞でなくともさしつかえないと思いますがいかがでしようか。
(高木生)
答 貴見のとおり。      
宗教法人の広告方法は信者・利害関係人に周知できればどのような方法でも可能
660 宗教法人の広告方法について
昭和28年3月3日付旭川地方法務局長電信問合、同年3月6日付民事甲第346号民事局長電信回答)
一、宗教法人の公告の方法は新聞紙又は当該宗教法人の機関誌及び当該宗教法人の事務所の掲示場(宗教法人法21條2項)の双方にこれを為すものと思うが如何
二、前項のとおりとすれば所管庁の認証を受けた寺院規則に公告の方法として「当該宗教法人の事務所の掲示場に10日問掲示する」とある場合は前項のとおり寺院規則を変更し更に寺院規則変更の所管庁の認証を受けなければならないのでしようか。
目下差迫つた設立登記の申請があるので折返し電信にて何分の御指示願います。
(回答電文)
 本月3日付電報問合せのあつた宗教法人法第12條第2項の件については、同項に掲げられている公告方法は例示的なものと解すべきであるから、信者その他の利害関係人に周知させるに適当な方法であれば、何れの方法によつても差しつかえないものと考える。従つて所問の場合は登記の申請を受理して差しつかえない。

目的

宗教法人の目的の変更登記の添付書面
2209 宗教法人の目的の変更登記等について
(昭和36年7月24日付民事甲第1718号法務局長、地方法務局長あて民事局長通達(昭和36年6月8日付日記第1004号奈良地方法務局長照会、民事局長回答)
 標記の件について、別紙甲号のとおり奈良地方法務局長から照会があつたので、別紙乙号のとおり回答したから、この旨貴管下登記官吏に周知方取り計らわれたい。
〔別紙甲号〕
 当局管内の宗教法人「○○教」より、別紙教会規則第4條の変更に伴う目的の変更登記申請書の添付書面につき照会があったので、左記によつて処理してよろしいか。。右は全国的に統一することを要しますので、至急ご垂示賜りたくお伺いいたします。
     記
一、申請書の添付書面として、宗教法人法第28條第2項にいう「所轄庁において認証した旨を附記した変更しようとする事項を示す書類」の所轄庁の証明した謄本をもつて、同法第63條第2項の「登記の事由を証する書類」と認めて、教会規則第28條第1項の同意書及び承認書の添付を省略して差支えありませんか。
二、前項を不可として、同法第28條第1項の認証書の勝本(認証申請を含めたもの)を添付すればよろしいか。
三、教会規則(規則変更に関する規程條項の抜すい)の添付は要しない扱いでよろしいか。
 なお、代表役員の変更の登記申請書等に添付を要する教会規則の写に当該代表役員の認証があれば、原本の提出を要しない扱いでよろしいか。
四、教会規則第4條の「公益事業を行う」ことにつき、昭和28年10月15日民事甲第1897号民事局長通達の趣旨により、その事業内容をも具体的に記載せしめる必要がありますか。
(別紙)
 宗教法人「○○教教会」規則中変更しようとする事項を示す書類
(現行)
第4條 この法人は、親神○○王命の分霊を奉斎し、○○教教典に依拠して○○教の教義をひろめ、儀式行事を行い、信者を教化育成し、並びにこの教会の目的を達成するための業務及び公益事業を行うことを目的とする。
(変更)
第4條 この法人は、親神○○王命の目標を祀り、○○教教典に依拠して○○教の教義をひろめ儀式行事を行い、信者を教化育成し、並びにこの教会の目的を達成するための業務及び公益事業を行うことを目的とする。
『参考』
  宗教法人「○○教教会」規則(抄)
(規則の変更及び合併)
38條 この規則を変更しようとするときは、責任役負全員及び○○教  大教会代表役員の同意を得て、○○教代表役員の承認及び知事の認証を受けなげればならない。
2 この法人が合併しようとするときもまた同様とする。
〔別紙乙号〕
 6月8日付日記第1〇〇4号をもつて照会のあつた標記の件については、次のとおり回答する。
     記
一、二、同意書及び承認書を添付させるのが相当である。
三、前段、所問については添付を要するものと考える。
後段、貴見のとおり。
四、具体的に記載せしめるのが望ましい。

旧登記簿の宗教団体の「教義ノ大要」は、宗教法人令による宗教法人の「目的」の一部に該当するものと解すべき
42 宗教法人法施行規則附則第2項(昭和20年12月28日司法文部省令第1号)の規定に依り、寺院登記簿の登記を、神社寺院教会登記簿に移す場合において、寺院登記簿の「教義ノ大要」なる登記事項は、神社寺院教会登記簿の目的欄に移すべきものなりや。宗教法人令附則第2項(昭和20年12月28日勅令第719号)には、「住職ハ主管者卜看倣ス」等の如き規定存するも、「教義ノ大要ハ目的ト看倣ス」と言えるが如き規定なきのみならず、宗教法人登記取扱手続(昭和20年2月28日司法省令第76号)附則第7項末段には、「但シ登記ヲ必要トセザルニ至リタル事項ハ此限リニ在ラズ」とあり。本件は、宗教法人令の施行により従来の寺院規則中に、新に目的を追加し、これに基き、追加変更登記申請を致させ、これにより、目的の追加変更登記を為すが適法ならんと信ずるも反対説あり。右理由を附したる御回答を仰ぐ。(徳島登記研究愛読者池内清)
答 宗教団体法による宗教団体の「教義ノ大要」は、宗教法人令による宗教法人の「目的」の一部に該当するものと解すべきである。したがつて、宗教法人令施行規則附則第2項の規定により、従前の寺院登記簿の登記を、神社寺院教会登記簿に移す場合においては、寺院登記簿における「教義ノ大要」なる登記事項は、神社寺院教会登記簿の目的欄に移すべきものである。もつとも、該当寺院が、寺院規則を変更し或いは、従来の寺院規則中宗教法人令における「目的」に該当する事項(例えば、学校経営その他の公益事業に関する事項)を規定している場合において、その寺院規則に基いて目的変更の登記を申請してきた場合には、宗教法人令施行規則附則第2項の規定に基いて、先ず、従前の寺院登記簿に、当該変更登記をした上て、その登記事項を、神社寺院教会登記簿に移すべきこというまでもない。
(理由) この件については、司法省民事局長の通達(昭和20年12月27日民事甲第714号通達第2項)においても、同様に解せられている。けだし、宗教法人の目的たる事業とは、教義の宣布、儀式の執行を主たるものと解すべきであつて、宗教団体法による寺院登記簿における「教義ノ大要」とは、右の教義の宣布儀式の執行に関する抽象的なる記載にほかならないと解すべきてあるからである。なお、これを右のように解するのでなければ、宗教法人令の施行当初においては、あらゆる寺院、教会について目的変更の登記をしなければならないこととなり、かくては、徒らに登記所の事務を繁忙にみちびくのみであつたため、右のように解されたのであろうことを申し添えておきたい。

基本財産

宗教法人の基本財産の登記について
1272 宗教法人の基本財産の登記について 
問 宗教法人設立登記の場合において、基本財産があるときはその額を登記せねばならぬが、規則に基本財産の総額の記載がない場合、設立登記の添附書類として基本財産の総額を証する書面の添附の規定はないが、法第63条第2項より推して証明書(役員全員で証明したもの)の添附を必要と思うが如何。(神戸 岸上)
答 規定がないので、基本財産の総額を証する書面の提出を強制することは出来ないものと考えますが、任意提出の協力を求める事は差しつかえないと思います。

宗教法人の寳物その他不動産以外の重要な財産の登記は変更登記として申請して登記する
280 宗教法人の寳物その他不動産以外の重要な財産の登記
問一、宗教法人令第十條に規定する神社の不動産以外の重要なる財産の登記は、法人令施行規則第26條第43條第16條の規定により主管者又は代務者の申請によりなすべきものと考えるが、一説によると昭和21年2月1日勅令第70號附則第5項の規定による県知事の嘱託書に添附してある財産目録(この財産目録は、昭和21年2月1日勅令第70号附則第3項の規定により當該宗教法人が縣知事に屈出でた神社規則に添附してある財産目録であつで、宗教法人令施行規則第33條並びに宗教法人登記及び神社寺院教会財産登記取扱手続第14條第15條の規定により作成されたものでない)により登記すべきものであるとの説があるが何れが正当であるか。
 右何れによるとを問わず最初に財産の登記をする場合において、昭和21年2月2日司法文部省令第1號附則第6項に基き縣知事より送付のあつた宝物台帳(この台帳の宝物は右最初の登記の申請があったとき右同令附則第7項の規定により神社寺院教会財産登記簿に移記する)あるときは、当該登記事項の変更として取扱うべきものなりや。
 二、神社の鳥居、玉垣、石燈籠等は基本財産として神社規則の中に定めてある場合は、宗教法人令施行規則第26條第1項第1號の規定による登記すべき財産に該當するか。(以上 山□ 登記生)
答 一問第一項 主管者又は代務者の申請による。第二項 変更として取扱うべきものである。二問 御意見の通り。

宗教法人登記及神社寺院教會財産登記取扱手続第17條の法量の意味(不動産と同じ)
36 宗教法人登記及神社寺院教會財産登記取扱手続第17條の法量の語義如何(畑部生)
 答 宗教法人登記及神社寺院教會財産登記取扱手続17條の「法量」の、法とは寸法の法であり、量とは質量の量である。從つて、賓物の"寸法,大いさ、目方等を記載するのである

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